2010年06月28日
「手紙の奥義」
新聞の新刊紹介を見て本を買った。


恋文から借金依頼まで、明治、大正、昭和の文豪24人の手紙を引用し、その手紙が書かれた当時の背景を解説しながらのエピソードを知ることが出来る。

手紙は小説と異なり、文豪達がたった一人の読者へ思いを伝えた


実に面白い。それは飾らない本人と対面しているような気がする、体温が伝わってくる。ペンを持つ人の吐息、トキメキや感謝の気持ちがありありと伝わってくる。

この際、文豪たちからその奥義を学び取りたい。
筆者のあとがきに……。
「いずれの文豪の手紙にも生彩を感じるが、中でも素晴らしいのは夏目漱石、漱石の手紙の匂いは、品位、知性、ユーモア、解脱、明るさ、優しさ、味わい、清潔感などであり、これらを表現しうる技量こそ手紙の奥義を極めるために欠かせない。」とある。

巻末に「手紙の書き出し、時候の挨拶、追伸の仕方」などをまとめた章があり、ユニークでオリジナルに富んだ文例は楽しい。
また、いつの日かそれぞれの手紙に潜む文豪たちの面白エピソードなどをUPしたい。
Posted by 古葉茶庵 at 11:37Comments(0)||
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