人民体育人???
私の興味の矛先は往々にして北朝鮮情報に向かってしまう。
ロンドン五輪は、金正恩体制になって初めての五輪となる。金日成主席生誕100年と重なり、新しい
最高指導者の威信強化や国威発揚に利用される最高の場である。
北朝鮮は、
11競技に56人の選手を送り、1日までに
過去最多タイの金メダルを獲得し、金ラッシュに湧き上っている。
これまでに獲得したメダル数
1992年バルセロナの4個が最高だった。今回、
欧米の主要マスメディアは金メダルゼロと予想したが、現在までに柔道、重量挙げなどで
4個の金メダルを獲得、重量挙げは世界新、五輪新も樹立した。
北朝鮮におけるスポーツは、国家丸抱えで選手を育成し、肉体鍛錬で軍事力強化に役立てるものという位置づけだ。選抜選手は親元を離れ合宿生活を送り、20年間親元に帰れないのも普通だ。
金メダリストになれば、
「人民体育人」「共和国英雄」などの特別な称号が贈られ、
高級アパートや乗用車、特権階級である朝鮮労働党幹部の待遇が与えられるとされる。
だが、反対に失敗にも容赦がない。選手やコーチを工場や炭鉱送りにされると洩れ聞いた。
ともあれ、五輪はまだ続く、あと何人の「人民体育人」が誕生するか、
命を懸けた選手たちの過酷な挑戦が続く。