愛の囁き???
夏の味覚は何と言っても鮎の笹焼き(愛の囁き)である。
よく冷えたビールに
鮎の塩焼きがあれば~
なんつぁ~ならん
ところで、山口市の椹野川(よしのがわ)ではミカンの皮から抽出した成分を餌に混ぜ養殖した「
柑味鮎(かんみあゆ)」は、ほのかに柑橘系の香りがして
内蔵の苦味も抑えられて美味しいという。
一寸待ってよ
鮎の塩焼きの魅力は
ハラワタの苦味ではなかったのか。
美食家で知られる「
北大路魯山人」も<
鮎の一番美味しいのは、ハラワタ部分である>と書いている。
かく言うこの私も、イワシ、サンマを筆頭に海鮮はすべてハラワタを一番に食べる。カミさん、義母の分までハラワタ部分は私が頂く、
ハラワタ大好き人間だ。
最近は苦い味を苦手にする人が増えているらしい。苦味に関する調査でも
「嫌い・苦手な味」のトップは「苦味」であると6割の人が回答したらしい。
とんでもないことだ。苦味には食べ物に含まれる毒を警告する役割があり、
様々な経験や学習を経て苦い味を「美味しい」と感じる「
大人の味」なのだ。
幼い時からファミレスなどで
<フワフワ>、<トロトロ>の洋食を食べ慣れた若者には苦い味を学ぶ機会が無くなったのかも知れない。
最近は、ビールですら「苦い」と避ける若者がいるやに聞く。
嘆かわしい…というか、可愛そう。
味だけではない。人は様々な苦い失敗、経験を重ねて大人になっていく。豊かさの影で、そうした機会が失われつつある世相を苦々しく思うのは年寄りの繰言だろうか。
イタリアでは、歳は財産だという。あえて苦言を呈したい。