おにぎりの味
母親が娘に語って聞かせる。「
お結びが、どうして美味しいのか、人間の指で握り締めて作るからよ」……太宰治「斜陽」の一こまである。
「手で結ぶ」、「手で握る」…食べ物,料理の名前は数あれど、
「お結び」、「お握り」ほど素朴にして美しい名称はそうそうあるまい。
日本国語大辞典によれば、地域的に東日本では「お結び」、西日本では「お握り」の呼称らしい。
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母の日の 手のひらの味 塩結び>(鷹羽狩行)…の句もある。今日は「
母の日」、母親の手のひらの味を思い出す。
戦後の貧乏時代、中に何もなくても,おかずがなくても美味しかった
母のお握りを何度,何個食ったことだろう。思い出していると何の塩味か、ちょっとしょっぱい味覚ではある。
今も、カミさんが作る、
銀シャリに梅干を入れ、海苔で巻いたお握りが大好きである。
先日のお釈迦祭りで孫が屋台ですくってきた
金魚6匹。早速、鉢に入れ餌を与え、一日2回半分づつ水を替え成長を楽しみに見ていたのだが…。
3日目に3匹、4日目に2匹、5日目には最後の1匹までご逝去召された。悲しんでいたら…カミさんが
永遠に元気で、餌の要らない金魚と花を買ってきた。