「お涙頂戴もの」

古葉茶庵

2011年07月26日 10:36


 東日本大震災後、「お互いさま」という言葉をよく聞いた。

 お互いさまを英訳すると”Help each other"(お互いに助け合う)が一つの訳だというが、もう一つしっくり来ない

 日本語は「お互い」と言いながら、自分のことはさておき相手を思いやる語感が強い川島英五の歌「時代おくれ」の一節にある……<あれこれ仕事もあるくせに自分のことは後にする>……と。

 「もったいない」のように日本の美徳の一つと言えようか。


 さて、今年エッセイ講座、最初のテーマは「思いやり」が与えられた。私は孫についての楽しい出来事を綴った。先生からそれなりの評価をいただいたが……。

 私も人に倣って、なんとか「お涙頂戴もの」のエッセイを一編書きたいと常々思っているが…。

 なにしろ生来の能天気、楽天的に生きてきたため、哀しかったこと、辛かったことも沢山あった筈なのに…憶えていない、出てこない。

 楽しい話なのに、最後にしんみり、幸せを噛みしめ涙がポトリ……そんなエッセイを書いてみたい。