「幾島一命にかけて……。」

古葉茶庵

2008年07月07日 12:17

 今日7日は七夕、そして洞爺湖サミットの開幕である。

 今回は史上最大規模22ケ国の首脳が参加する。地球温暖化、原油・食糧高騰問題etc……抱える課題も多くホスト国日本の舵取り(リーダーシップ)如何が問われるときである。

 九州・山口は昨日、梅雨明けが宣言されたが梅雨がないと聞く北海道洞爺湖は今日は雨らしい。雨にもやって見通しはよくないだろうか

 サミットの議論が梅雨明けの空のようにスカッとした対話と透明感のある成果が得られるよう毎日注目し、よい結果を期待したいものである。

 ……閑話休題……

 さて、創年大学の原口学長は今までにNHK大河ドラマ「翔ぶが如く」、「琉球の風」、「篤姫」の時代考証を担当しておられ、近著「篤姫わたくしこと一命にかけ」、「竜馬を超えた男小松帯刀」を執筆されベストセラーにランクアップされている。

 そんな関係からか、皆さんが聞きたがるからか、学長講義のたびに放映中の大河ドラマ「篤姫」の画面に出てこないこぼれ話を聞くことが出来る。

 今回は、 「幾島」を演じた「松阪慶子」さんのお話を少し披露したい。

 「幾島」という女性は、薩摩藩主島津斉彬に招請され徳川十三代将軍家定の正室候補(?)となった篤姫の諸作法指南役、守役として薩摩から大奥時代までお側に仕えた女性である。

 この役をもらった松阪慶子は、映画「蒲田行進曲」以来の大役だったともらし、その意気込みは相当なものであったという。

 収録前に鹿児島を訪れ、原口先生から「幾島は西郷隆盛をも頭ごなしに叱った女性である。」と聞かされ、この思いが最後までぶれることなく幾島を演じられたという。(鹿児島来訪時は焼酎をガブガブ飲まれたという先生の報告もあった。)

 薩摩から江戸に出発する篤姫の駕籠(かご)の前で発した「たちませい」の一声

 そして篤姫に薙刀(なぎなた)を教えるときの「きえええ~っ」の一声、凛とした掛け声が今も耳に残って離れない。

 また、昨夜の「徳川の妻」では……徳川の人になって生きようと決意した篤姫と斉彬の命を受け薩摩の想いを通そうとする幾島の駆け引きは迫真のものがあった。

 私はこれから一番の見所は、家定、斉彬が没し、いろいろな思いを残しながら大奥を去る日の篤姫と幾島の別れのシーンだと思っている。……想像するだけでもこみ上げてくるものがある。

 間もなくその日がやってくる。大いに期待し楽しみに待っている

 原口学長「篤姫と帯刀」の公開講座が8月30日に吉田公民館、参加費無料で催される。よい話が聞けると思う。 詳しくは鹿児島大学生涯学習教育センター(℡o99-285-7294)へ