比喩(ひゆ)
「
比喩」はたとえること。<
AのごときB>……これが比喩の基本である。
エッセイを習い始めてから、いつも、文章はどのように書けば良いのかなどと、なんとなく考えながら本を読んでいる。
すると多くの本で、多くの小説家が多くの「比喩」を用いていることに驚いた。宮部みゆきの小説は、随所に比喩が用いられ文章が面白い。
先日、読んだ本によれば、
比喩は詩の命だという。特に、これまでに、どこの誰も言ったこともないAとBの関係に新しい橋を渡すことで、世界は曰く言い難い新しい表情を見せるという。
これが何より比喩の効能だそうだ。比喩一つで短歌一首が成るという。……短歌の一節にこんな比喩がある。
<
菱形の冷たい風の花びら>……
雪のことである。
我が家の庭に咲いた椿、面白いのは
一本の木に紅白の花が咲く。
亡母の川柳に、<
藪椿 首から落ちて 地で燃える>というのがある。椿の比喩は面白い効能が浮かばないのでやめにしよう。