新年を迎えて……

古葉茶庵

2011年01月04日 12:02


 元旦は賀状に「初日の出」と書いたのに、明けてみれば「雪うさぎ



 ことほど然様に世の中は上手く運ばない。

 屠蘇を飲みながら、ひとり思ったことである。<卵を産まなくなった鶏は潰しが利くが、生産性を失った働き蜂は、どこにも居場所も行き場所もない

 な~んて……柄にもなく考えてみてもしようがない。
 
 昔、大きな盃のことを、「武蔵野」と呼んだらしい。その謂れは、昔、武蔵野という野原は広く、とても一目では見尽くせない広さだった。

 「野、見尽くせん」が「飲み尽くせん」盃が「武蔵野」となった。

 飲み尽くせない「武蔵野」の分量は人により、その日の体調により異なる。私の一人屠蘇は体調が悪かったのだろうか。

 やがて……二人の娘の婿さん達が孫を引き連れやってきた。

 分かっていても、つい度を越してしまうのが、凡夫の情けなさか、このシーズンの酒席ではある。……<愕然

 今朝の新聞で読んだ。言語学者で「広辞苑」の編者である「新村出博士」に(正月から)肩の力を抜く<おまじない>の歌がある。

 <小器われ 晩成もせず永らえて 凡器を抱き 安らかに生く

 肩の力を抜き、吉祥卯を眺め、もう一度武蔵野で屠蘇の飲みなおしと行くか。……凡人だね……