エノラ・ゲイの飛行記録
ニューヨーク29日共同(ヘリテージ・オークション・ギャラリー)提供
広島に原爆を投下した米爆撃機B29「エノラ・ゲイ」の1945年8月6日の飛行記録が米テキサス州ダラスで競売にかけられ、35万8千5百ドル(約4千百万円)で落札された。
落札されたのは、同機の航法士セオドア・カーク大尉が機上で記した唯一の公式の飛行記録。 「爆弾投下」などと書かれ、原爆投下後に撮られた乗組員の写真2枚が添付され、いずれも当時のエノラ・ゲイの状況を知る上で第一級の記録とみられる。 (落札者は米国人としか明らかにされてない。)
ところで……
飛行記録は、大判の紙2枚に鉛筆書きで、
原爆(リトルボーイ)投下の生々しい様子を推測することができる。
テニアン島(西太平洋マリアナ群島 グアム島の北)から広島まで往復航路の時間、位置、針路、高度等が詳細に記入され、
時間はすべて同島の現地時間で日本時間より1時間早い。
基地のテニアン島を2:45分離陸、5:55分硫黄島上空、四国上空まで針路北北西(344度)高度6,700Ft(約2,000m)で接近、四国通過後日本側の対空射撃を考慮して29,000Ft(約8,700m)まで上昇、偵察機から広島の視界良好情報を得て高度
31,600Ft(約9,600m)で接近、投下3分前 I・P(Initial Point=発動点)に着、針路を西(264°)とし特別指令「目視投下に限る」のため26,530Ft(約8000m)まで急降下、9:15分15秒 Bomb Away(爆弾投下)上空約600mで核分裂爆発、投下16分
後にMishima(山口県萩市北西45Kmの日本海の孤島見島と思われる。)上空で150度に急旋回テニアン島に向け南下した。
広島原爆記念館に保存し「Nomore HIROSIMA」の資料展示したいものである。