牛のルーツ???

古葉茶庵

2009年01月09日 10:58

 再再度、牛について……。

 人間誕生の時から牛馬との繋がりがあり、親しみ深い存在であると思っていたが、人間との関わりのルーツが意外と分かっていないのが今年の干支である丑=牛だそうだ。

 《その地には牛、馬、虎、豹、羊、カササギなし》……と邪馬台国を有名にした『魏志倭人伝』は弥生時代の日本本土の状況を伝えているという。

 弥生時代に時期の確かな牛の骨の出土はなく、最古の牛の証拠と言えるのは古墳時代中期の牛の埴輪(はにわ)が僅か10例しかないという。

 人にとって牛が家畜として労働力や乳製品(蘇=チーズ)などに使われただけでなく、古代には貴重である種の神聖な存在として受け入れられていたことは確かである。

 『続(しょく)日本紀(706)』には、<土牛を作って追儺(ついな)=悪鬼払いをした>という記述がある。ただ、牛を労働力として使う際の道具である軛(くびき)や犂(すき)が渡来人系の技術と見られることから、牛も渡来人が持ち込んだとの見方が強いそうだ。

また、『魏志倭人伝』の記述についても、当時の人は牛と認識していなかっただけで野牛はいたのではないか。一部の地域だけの記述かも……といろいろ推測される。

 いずれにしても、日進月歩で進捗著しい考古学で新しい発見があればと。……今年も大いに期待されるところである。


 丑年を迎え、牛をじっくり眺めていると……おとなしくて、目がかわいらしく、愛すべき動物に見えてきたから不思議である。

 皆さんは如何だろうか