「サラ川」とは???

古葉茶庵

2008年12月20日 10:39


 明日は「冬至」 、北半球で一年のうち夜が最も長くなる。冬至は古来、陰から陽に転じるときの意味で「一陽来復」と称される。昔の人は、<冬至冬なか冬はじめ>と言い習わし寒さを戒めた。

 景気も今が陰の始めか極みかと不安を募らせる。そんな時、新聞広告を見て「サラ川(せん)傑作選」を買ってきた。

 「サラ川」とは、「サラリーマン川柳」の略で第一生命保険会社が創立百周年を記念して1987年に第1回「第一生命サラリーマン川柳コンクール」を始め、その中の優秀作がマスコミ等の大きな話題となり、「サラ川」ブームのきっかけを作った。



 以後、今回第二十一回(2007年)を終え応募総数796,928句にのぼる。選者を「山藤章二」、「尾藤三柳」、「第一生命」が担当し、それぞれ「サラ川」を次のように述べている。


 山藤章二さんは、『「親父ギャグ」というのは世評が余りよろしくない。若い娘に至ってはまるで痴漢にでも遭ったように悲鳴を上げたり警察に通報する。(しないか)』

 日本語は、「同音異義」の多い言語だから大衆文化の主役であり、言葉遊びが楽しい。あえて語呂合わせ、駄洒落の「サラ川」にこだわりたい。……と。


 尾藤三柳さんは、『始祖「柄井川柳(からいせんりゅう)」(1718~1790)も二百数十年後にこういう文芸が発生し、定着するとは想像さえ付かなかっただろう。

 「サラ川」の大きな柱は、上司への揶揄(やゆ)と家庭内での不当な立場になっている。この二つの嗜虐度(しぎゃくど)が年毎にエスカレートしていく傾向にある。』……と。


 第一生命さんは、職場で、家庭で同じ空気を共有しているハズの上司と部下、夫と妻、忙しい時間に追われる現代人、言いたいことの半分も言えずにいる。

 そんなストレスの解消に言えなかった残りの半分を「サラ川」を詠んで、読んで、笑って、消化されたい。……と。


 いつもの含み笑い、或いは抱腹絶倒、同感と手を叩かずにはおられない。川柳そのもは機会があれば紹介したいが……すぐ読んでみたい方は本屋さんへ。

 また、英語の勉強などに英訳本が見てみたいという方は、過去の秀句を英訳した「サラ川グリッシュ(SALAS-ENGLISH)」が今秋講談社から発刊されている。